シャチの系譜(22) 日本が産んだスタイル

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日本水族館立体生物図録3 シャチ 2011年3月 監修・荒俣宏 企画製作・海洋堂 原型製作・松村しのぶ

 「てのひらの中の海」が印象的に思えたのは私だけではなかった様に思います。この発想は、それまでのミニチュア動物フィギュアの概念を変える出来事だったのではないでしょうか。それまでの海外のミニチュア動物フィギュアや「チョコエッグ」に始まったモチーフの動物だけの再現モデルとは、明らかに異質な動物フィギュアであり、より説得力を持ったスタイルの表現ではないでしょうか。環境と一体となってひとつのフィギュアを形成しているのです。それは、海外のミニチュア動物フィギュアにはなく、日本人の美意識が産んだ新しいスタイルのフィギュアの誕生であったと私は考えています。
 ところが、この「日本水族館立体生物図録3・シャチ」を見て下さい。これは明らかに「深海生物ボトルキャップフィギュアコレクション」と同一の手法でフィギュアが製作されています。確かにこの手法は海洋堂(敬略)が生みだした手法には違いありませんが、私の眼には進化とは映っていません。幸いにも力強いポーズが鮮度を保って魅力あるものになっていますが、やはり寂しく見えてしまうのです。確かに商業ベースの動物フィギュアです。コストにも並々ならぬ努力がある事も承知ですが、そこを抑えて製作されている製作会社がある事も事実です。今後の新たなスタイルの「シャチ」を見せて頂くのは何時になるのでしようか…。 
  

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