シャチの系譜(21) てのひらの中の海 

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日本水族館立体生物図録3 シャチ 2011年3月 監修・荒俣宏 企画製作・海洋堂 原型製作・松村しのぶ

 それ以前のAQUATALESシリーズ「深海生物ボトルキャップ(2001/4月)」には台座であるブルーのボトルキャップと同質同色の背景が表現されていたのですが、これは明らかに透明の支柱の支え(土台)とそこに生まれた不自然(間抜け)な空間を補うために造られたものである事が明確でした。それは、モチーフの動物とは関係なく、ほぼすべてのフィギュアに同一同色の岩風のものが表現されていたのです(センジュナマコは例外)。ところが、次に登場した「黒潮の魚たち(2002/7月)」では、岩風のものもありますが、海面であったり具体的な岩であったりと表現に変化が出て来ます。それは台座に対する考え方の変化でもありました。背景を製作するのであれば、そのモチーフに合った情景にしようと言う積極的な表現欲があったのではないでしょうか。一見、中途半端な印象を受けますが、背景として、そのモチーフの環境を表現する事が、更に自然な印象を与え、フィギュアをより魅力的なものにさせたのではないでしょうか。その発想を基に製作されたのが「新江ノ島水族館立体生物図録(2004/4月)」ではなかったかと思います。荒俣宏(敬略)がその解説書の中で、これらを「てのひらの中の海」と称した事は私にとっては印象的な出来事として、記憶に残っています。

 

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